歓喜、歓喜が身体中をこだまする。ここまでシャドメに止めるのが楽しみな瞬間はない。今まで生きてきた中でも上位に入る喜びだと感じる瞬間だ。
車の窓ガラス越しに見える赤のれん。太く書かれた「いらっしゃいませ」の文字
それらが、いつでもどうぞと、私を迎えいれてくれる。もちろん、営業時間内だけの話だが
車から降り、鍵を閉めてから建物へ向かう。薄暗くなっていく空、飛び交う銃弾。その中を横断し、更に、のれんもぐぐり、店の中へと入っていった。
ぴしゃりと引き戸をしめる。
奥の椅子に座る。少しべたついた床からこの店の年季の入り具合が分かってきそうだ。
鼻がむづがゆくなる、胡椒と出汁の香りがただよってきて、食欲が増していく。
どぎつくなく、透き通ったいい匂いだ。とても、丁寧に作られている。
私は、この匂いがとても、たまらないのだ。大好きだ。
そして、いつも通り、ラーメンを頼む
手持無沙汰で、周りの壁を眺める。ラーメンが待たされる緊張感、とても、とても、待ち遠しい。
溢れだす湯気、しゃきしゃきもやし、こりこりのめんまに、とろけそうで既にとろけている角煮
いただきます。と1つ1つ丁寧に味わっていく。とてもたのしい
その食材の奥に出てくるのが、麺
それをいっきにすする。口を火傷しながら、ずるずると、ずるずると
はふはふ、しながら食べていく。口の中は真っ赤になっていないだろうか。他の食べ物なら熱すぎて冷まそうとするが、ラーメンは、ふうふうぐらいで直ぐに口に入れる。
火傷など気にしないように食べる。
どうしてこんなにも、心が躍るのだろう。
おいしいのではない、いやおいしいが、楽しいが勝るのである。
楽しく食べられる唯一の存在。それが、ラーメンである。
汁まで飲みほす。しかし、また、来たくなる。
明日には、来ているかもしれない
ごちそうさん!完食して、のれんを手で押し上げる。
太陽がまぶしい。向こうのあちこちで、光り輝いている。
満足すると、神経が研ぎすまされるのだろうか?
周りからは、色々な音が聞こえてくる。
昔と違って、最近の日常では、音が多すぎて音を気にしなくなった。
というより、余計な音を自ら遮断するようになったのではないかと思う。
耳に栓をして
どーでも良い事を考えながら、シャドメに向かう。
後ろ髪を引かれる思いで、その場を後にした。
明日から、また仕事
戦闘中にどこ行ってた!!!一等卒
はっ、銭湯とラーメンへいっていました!
ぇう、司令官、司令官もいきたい!!
へい!いらっしゃい!
ここは、人々を笑顔にするラーメン店
”ラーメンや 戦場が目の前支店”です。
今後ともよろしくお願いいたします。
営業時間
材料が手に入った時
おしまい